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SAKURAドロップス

SAKURAドロップス/Letters



全開になった車のサンルーフから見えたのは月でも星でもなく、夜空を蔽いつくすように咲き乱れた満天の桜で、あたしは首が痛くなるくらい長いことそれを見上げ続けた。
あの怖いくらいに美しい景色を初めて見た春の夜のことは、何年経っても忘れられない。


「今年、あの桜見に行こうか」
スクランブル交差点を渡りながら男が言った。
「時間が合ったらね」とあたしが答えると、男は点滅し始めた信号を見据えたまま「合わせるよ」と言って、あたしの手を掴むと走り出した。

手首に感じた力強さが今の男の想いなら、一緒に桜が見られなくても構わないと思った。
だってこれは約束じゃなく、ふたりが同時におなじ夢を見ただけ。
ただそれだけのことなのだから。

信号が変わる直前に交差点を渡り終えた。
すると男は静かに手を離し、今度はあたしを真っ直ぐ見てもう一度、「合わせるよ」と言った。
胸の内を見透かされている気がしたが、男がそういう性格でなければ今のような関係は続いていなかったに違いない。


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2009/04/06(月) 20:07 | MUSICTB:0
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